プロブロガー・イケダハヤトさんの「年収150万円で僕らは自由に生きていく」を読みました。

現在は高知県に移住されていますが、この本は2012年の出版です。東京で消耗している頃に書かれたものですね。

作者の年収は150万ではない

まず注意事項ですが、作者の年収は150万円以上あります。本の冒頭でも「年間500~600万円の売上を計上しています」と明記されてます。

本作は「私はこうやって安く暮らしてます!」というテクニック紹介よりも、現代の労働や消費のスタイル、そしてお金との付き合い方に関して作者の主張にページが割かれています。カーシェアリングなどのサービスを紹介する章も一応ありますが、あくまでサブ的な立ち位置です。

お金のためではなく、問題を解決するために働こう

見出しの文は4章のまとめから引用しました。

要するに、お金のために働く時間を減らすので年収は150万円になりますが、QOLは上がりますよ、というのが作者の主張です。

お金のために働くことをやめた時間で何をするのかというと、お金のためじゃない労働をしよう、というのが作者の主張です。たとえば自分が問題に感じていることのへの取り組みや、興味関心のあるプロジェクト(ボランティアなど)だったりです。そういった形で社会貢献して、持ちつ持たれつで自由に楽しく暮らしていきましょう、というわけ。

作者の提案する生き方は大変魅力的ですが、藤子はあまり現実的ではないと思います。理由はこういう働き方は、全員が実行できるものではないから。

労働時間を減らしてやりたいことが自分の関心にマッチしたものであれば、その人にとっては趣味=労働になるので苦痛なことではなくなるでしょう。しかし、みんながみんなやりたい活動ができるわけではないです。

例えば「自分の音楽を通じて人々を楽しませたい」なんてケースだとあきらかに供給過多ですし、そこに多くの人が感じている問題を見つけることも難しいです。

勿論、音楽関係のアプリ開発であったり、いまの音楽業界がXXだからOOのサービスをしてミュージシャンを支援しようというようなルートを見つけられればそれはそれで幸せでしょうが、「自分の音楽を聴いてもらう」という第一目標からは外れている、と思います。音楽にかぎらず、やりたいことがお金にならないどころか、出費がかさむ一方、ということも多いのではないでしょうか。

終わりに

生活に必要なコストが、「お金を稼ぐ以外の労働」で賄えるのか、というのが作者の提案する生き方ができるかどうかの分岐点だと思います。

自身のやりたいことで生活コストを賄える人からすれば、それこそ「まだお金のことで消耗してるの?」ということなのかもしれません。

まだ東京で消耗してるの?

⊂二二二( ^ω^)二⊃ブーン!