なんやこれは。

卯月妙子さんという統合失調症を抱えた方の自伝的作品です。

この人ただの漫画家ではなくて、キワモノAVやストリップなど色々とバラエティ豊かな経歴をお持ちです。本作ではボビーと呼ばれる還暦超えの男性との同棲生活(歳の差25歳以上)や、病気が原因で歩道橋の上から飛び降りたあとのリハビリ生活に関して描かれています。

ボビーさんとの同居生活

前半ではボビーさんとの同棲生活にスポットが当てられていて、病気と闘ったり喧嘩したりしながらものんびり過ごす日々が描かれています。ラブラブチュッチュどころか揉めてばっかりなんですが、なんやかんやお互いのことが大切なんだなあ、ということがすごく伝わってきます。

ボビーさんは自分の年齢(交際開始当時すでに62歳)をすごく気にしており、事あるごとに自分はもう若くないから、という意味合いのセリフを口にします。若奥さま(=作者)を大切にしているからこそ、こういうセリフが自然にでるんでしょうね。時折彼女に癇癪をぶつけてしまうこともあるんですが、そんなにダメンズという感じはしないです。

怪我だけじゃない闘病記

作品後半で卯月さんは歩道橋の上から紐なしバンジーして顔面骨折します。

大怪我なんで当然手術だ入院だという自体になるんですが、怪我の治療を優先するために統合失調症関連のクスリは一時休止になります。すると当然症状が抑えられないわけで、幻覚や妄想に悩まされるわけです。この作家さんのすごいことは、それを漫画として表現できちゃうところでしょうね。

終わりに

amazonのレビューを見る限り統合失調症の人皆が皆卯月さんみたいな病状に悩んでいたりするわけではないようですが(というか精神疾患者の中でもかなりぶっ飛んでる部類)、こういう病気に関して当事者がここまでポップに闘病を語る漫画というは珍しいと思います。

かなり人を選ぶ作品だとは思いますが、作者さんのぶっとんだ人生を覗いてみたい方はぜひ⊂二二二( ^ω^)二⊃ブーン!